『県南4市合併の推進に関する要望書』
川口商工会議所
川口市、川口市議会に要望
「4市合併で政令指定都市に」
「合併協議会」を早急に設置し、合併の具体的な情報提供を
川口商工会議所は7月11日、県南4市(川口・蕨・戸田・鳩ケ谷)が合併し、政令指定都市を実現するよう求める要望書を岡村幸四郎川口市長に提出、また、同15日には松井健一川口市議会議長にも要望書を提出した。
川口商工会議所では、広域連携推進委員会(富田英雄委員長)を設けて県南地域の「都市連携」について研究し、ここでの結果を田中德兵衞会頭に答申していたが、これを受けて両日の要望がなされた。
要望書では、将来の街づくりのために4市合併を推進、政令指定都市を目指すべきとし、また、合併についてのより具体的で分り易い情報提供が必要で、そのためにも早急に「合併協議会」を設置し、「当地域の合併について協議する場」が必要としている。
要望書提出後には、田中会頭、細野、武井、小嶋、須賀副会頭、石田専務理事及び富田広域連携推進委員長、加藤副委員長と岡村市長、松井議長、川口市議会合併・政令指定都市問題特別委員会の富田委員長、村山副委員長らとの懇談も行われた。
県南4市合併の推進に関する要望書
川口市を含む県南地域は、南は荒川を隔てて「首都東京」と隣接、北は平成15年には政令指定都市となる100万都市「さいたま市」と接し、交通利便性は高いものの、これら大都市の間にあり、これまで育くんで来た文化、伝統さえも埋没してしまうおそれがあると危惧されます。
また、交通網の発達等により、生活圏、経済圏は飛躍的に拡大し、行政の対応も拡大せざるを得ない状況が多々あります。
今日の厳しい財政状況の下で「将来の地域づくり」を考え、地方分権の推進、多様化・高度化する住民ニーズへの対応等を図って行くには、基礎的地方公共団体である市町村の行財政基盤の強化、その効率的な運営体制の確立は必須で、これらへの有効な対応手段として都市合併があります。
川口商工会議所では委員会を設置して、当地域の「都市連携」について幅広く研究、議論を重ねてまいりました。その結果、「埼玉県南地域においては、生活面や経済面で特に結びつきの強い『川口市、蕨市、戸田市、鳩ケ谷市の4市による合併』が最も合理的で、より多くの権限委譲があり都市として高い独自性を発揮することのできる『政令指定都市』を目指すことが当地域発展のために不可欠である。そして、いわゆる『合併特例法』に基づく合併をこの機会に実現することは、財政上のメリットも大きく、県南4市の将来の街づくりを進めて行く上で絶好の機会である」との結論を得ました。
つきましては、経済界として出来得る限りの協力を惜しまぬ所存でございますので、合併協議会を早急に設置、当地域の合併についての具体的で分り易い情報を広く市民等に提供していただき、「県南4市の合併」、更には「政令指定都市」に向けての活動をより強力に推進されるようお願い申しあげます。
【要望に至る検討概要】
厳しい財政状況下、急激に進む少子高齢化社会においても多様な住民ニーズに応えられる効率的な行政システムの構築、地域の特性を維持・発展させながら「特色ある街づくり」を進めることが求められているが、これらに対応する有効な手段として「都市合併」がある。
川口商工会議所広域連携推進委員会では、「地域の将来像」を見据え、合併について検討した。
Ⅰ合併についての検討
合併により考えられるメリット及び懸念される点は種々あげられるが、懸念される点の多くは、事前によく協議し、また、問題発生時等にそれに対応できる体制がとれるようにすることによって解決できると思われる。
1 主なメリット
(1) 行財政の効率化
(2) 市民の利便性向上
(3) 行政サービスの高度化
(4) 投資の効率化、重点的な整備
(5) 地域のイメージアップと総合的な活力の強化
(6) 合併特例法等による財政支援
※政令指定都市になれば、更に多くの権限委譲によって地域の特性を生かした都市運営が図れる。
2 懸念される点
(1) 中心部と周辺部との格差の増大
(2) 市民と行政との距離
(3) 各地域の歴史、文化、伝統など地域コミュニティの崩壊
(4) 各市間の格差の調整
(5) 更に具体的には、旧市の市議会議員数の不公平感
(6) 人口増加による自然崩壊
※(1)~(3)については合併後のきめこまかな区割りなどによって対処できる。
(5)についても合併の場合は、旧市を小選挙区ということとすることも可。
(6)についても、広域的な行政によって河川管理などもし易くなり、一概にマイナス項目ではない。
いずれも合併後の「新市将来構想」などを十分協議することが求められる。
⇒早期に合併について協議する場としての「合併協議会」を設置し、市民への情報提供の機会を多くすることによって、合併を推進すべきである。
Ⅱ合併協議会(任意合併協議会、法定合併協議会)
合併特例法の期限(H.17.3.31)を考慮すると本年9月から10月ころまでには「合併協議会」の設置が必要。市民への情報提供のための期間が短く、早急に協議、情報発信の場づくりが必要である。
⇒法定合併協議会を設置し合併について早急に検討すべきであるが、この設置に時間が掛るようであれば、先ず任意合併協議会を設置し、市民の合併に対する意識を高め、その後に法定合併協議会を設置するというパターンを促すべきである。
Ⅲ合併のパターン
(1) 2市(川口市、鳩ケ谷市) 人口 514,467人
(2) 3市(川口市、蕨市、鳩ケ谷市) 585,520人
(3) 4市(川口市、蕨市、戸田市、鳩ケ谷市) 693,612人
(4) 5市(川口市、草加市、蕨市、戸田市、鳩ケ谷市) 918,589人
※(4)の草加市は東武経済圏と言える。
※(1)、(2)では政令指定都市は望めず、「先ず鳩ケ谷市と合併」の二段階方式は合併に係るトータルの支出、労力も大きくなることと、合併特例法の恩典も少なくなる。
政令指定都市では、県なみの権限が与えられ、都市計画、福祉、衛生(保健所)など多数の事務が県から委譲され、特色ある都市運営が可能となる。また、予算規模も大きくなり、いわば県と同じ扱いになる。区政を敷くことができ、市内にいくつかの区役所を設置し、きめの細かい市政の運営が可能となる。
⇒先ずは、川口市、蕨市、戸田市、鳩ケ谷市の4市合併を推進し、政令指定都市を目指すべきである。