導入事例

シリーズ10 コロナ禍だからこその「オンライン展示会」「オンライン工場見学」

製造業ではこれまでも、地元の小学生等を対象にした「工場見学」をしていました。また卸売業・製造業では、新商品をバイヤーに見て選んでもらう「展示会」を開催していました。 ですが、コロナ禍のために集合型のイベントができない昨今、この状況を逆手にとって「オンラインで見学する仕組み」が進化しています。 今回はこの仕組みを紹介するとともに、皆さんに「ご自分のビジネスにどのように生かしたらよいか?」をぜひ考えていただきたいと思います。

(1)オンライン工場見学・展示会のメリット

対面での直接のやりとりはできないものの、以下のように様々なメリットがあります。

特に、工場見学用の安全な通路等が設置されていない中小製造業の現場では、安全面のメリットも非常に高いです。

工場見学・展示会共通
移動時間や交通費がかからない

非対面となり、コロナ禍でも衛生上の安全が保たれる 等
工場見学
高温や危険物に近づかない、安全な状態で実施できる(ヘルメット等着用不要) 等
展示会
他のお客様の商談とバッティングしない

商談を録画しておき、あとから内容を確認できる 等

(2)必要な機器類や撮影時の注意

ごく簡単に実施する場合、スマホ片手に工場内や会場を歩き、現場の様子を見てもらうだけでも十分です。説明は、スマホ撮影者が歩きながら声を出せばOKです。

この場合、スマホ操作に集中すると、工場内で転んでしまうこともあるので、ケガには十分に注意しましょう。また、動画撮影と同時に配信するので、円滑に動画を流し続けるためには現場のWi-Fi(高速回線)利用が望ましいです。

工場内や展示会上の様子を見ていただいたあとは、パソコンを利用したオンライン会議形式に続けます。そこでは、質疑応答を受けたり、商談を実施したりしていきます。

また、自分で撮影機材を用意する方法、プロに撮影を依頼する方法もあります。この場合は、撮影した動画を編集して音楽を入れるなどの加工をしてからWEB上にアップします。

動画編集・音楽挿入等については、便利なアプリが用意されているので、自分でチャレンジすることも可能です。今回は機材説明・アプリ紹介等は割愛しますが、ぜひご自分で検索していろいろ調べてみてください。

また、オンライン工場見学や展示会の撮影・編集を手掛けるIT事業者もありますので、ご興味がある方は川口商工会議所にお尋ねください。

(3)オンライン工場見学の事例

川口商工会議所ではこの2月28日まで「第4回川口オープンファクトリー」を開催していました。ものづくりの企業が集積する川口だからこその取組ですね。

残念ながら、ホームページ上で3D化された工場を自由に見学できるコースは終了しています。

また、工場見学でVR体験ができるページも、最近は多く見受けられます。

VRは「Virtual Reality」の略で、「仮想現実」と呼ばれています。ゲームの世界ではお馴染ですね。VRによって「その場にいながらにして、限りなく、実体験に近い体験が得られる」のです。

たとえば、川口市内の印刷・WEB制作会社である巧和工芸印刷株式会社の事例紹介ページでは、茨城県の工場内の様子がVRで360℃の角度からご覧いただけます。

画像引用元:巧和工芸印刷株式会社 YouTubeサイト

*番外編

巧和工芸印刷株式会社のYouTubeサイトでは、川口市の消防局とコラボした「VR 消防士なりきりVR体験 360カメラ」の動画も掲載されています。高いところから降りるシーン等、迫力満点です!

ぜひこのサイトを、スマホを動かしながらご覧になってみてください!パソコンからご覧の場合は、下の画像の左上にある「四方向への矢印」をマウスで触ってみてください。

画像引用元:巧和工芸印刷株式会社 YouTubeサイト「VR 消防士なりきりVR体験 360カメラ

(4)オンライン展示会の事例

今年度は、埼玉県でもさまざまなオンライン展示会が実施されました。毎年冬に、さいたま新都心のさいたまスーパーアリーナで開催される彩の国ビジネスアリーナも、今年はオンライン開催でした。

画像引用元: オンライン彩の国ビジネスアリーナ2022

* 現在、オンライン閲覧は終了しています。

このような大型展示会でなくても、「自社の新商品をお披露目する展示会を、自社で撮影して編集しYouTubeにアップする」ことで、簡単にオンライン開催が可能です。

なお、「新商品情報を、特定の人にだけ見てほしい」場合は、URLを知っている人のみが観ることができる設定をすることも可能です。

* 動画の公開設定を変更する方法は、Googleの以下のサイトをご参照ください。

YouTubeヘルプセンター 「動画のプライバシー設定を変更する

(5)まとめ

コロナ禍でオンライン工場見学・展示会が行われることが当たり前になってきました。ですが、その背景には、動画撮影・編集等が手軽に実施できるようになったDXの進化があるのです。

品質にさほどこだわらない、逆に素人ならではの臨場感を出したい場合は、社員によるスマホでの撮影・その画像の一般公開という方法を取れば、特別な費用もかかりません。第一歩を踏み出す時には、ぜひこの方法をご利用ください。

その後、大規模なオンライン展示会に出展する等の場合は、プロのチカラを借りた「見やすい、わかりやすい動画」を準備すればよいのです。

または、社員に「動画撮影・編集」を勉強させ、かつ編集用ソフト等を会社で用意することで「動画関連作業の内製化」も可能です。自社で頻繁に新製品等の動画を用意したい場合は、内製化をご検討ください。

自社の状況に合致したオンラインビジネスの活用に、ぜひ今の時期に取り組んでいただきたいと思います。その際には、川口商工会議所の窓口相談・専門家派遣等をお気軽にご利用ください。

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