導入事例

シリーズ2 花屋、物販小売業のDX

日常生活を便利に楽しくすごすために、私たちの生活に欠かせない小売店。そこではどんなDX活用が進んでいるのでしょうか?

(1)花屋の体験

私はこれまで、地元の商店街のお花屋さんで1週間に2回くらい、季節にあった切り花を数本ずつ購入していました。そのお店は現金しか使えず、お財布を忘れてしまった日は購入できません。会員カードもありませんが、店主がお客様の顔を覚えていることで毎回話は弾みます。今年の3月は「今日は孫の小学校卒業式だったからサービスするわ」と言って、お花をオマケしてくれました!

かたや、私の母はショッピングモールにあるチェーン店でお花を買っており、支払い方法はいわゆる「サブスク(注1)」、スマホから会員登録をします。クレジットカード自動引き落としとなっており、毎回の支払いは不要です。あらかじめ決められたお花の中から一輪だけ選び、スマートフォンのアプリ画面を見せるだけなので、お店での会話はありません。

注1:サブスクとはサブスクリプションの略。定額料金を支払い利用する仕組み。サービス業ではインターネットの動画配信、小売業ではバッグや洋服の一定期間レンタルなどがある。

そんな中、少し離れた場所に若夫婦が小さな花屋を開業しました。QRコード決済のPayPayが使え、お店のレジ横には名刺サイズのショップカードが置かれており「定休日や営業時間がわかる」「ショップカードのQRコードからお店のInstagramにアクセスできる」ようになっています。最近、犬の散歩の途中でスマホしか持っていない時にその花屋さんの前を通ると、ついつい買うようになりました。またInstagramを使って「今日のおすすめの花」を紹介しており、見るたびにお店の存在を思い出します。

申し訳ないのですが、私は昔ながらの花屋で買うことが少しずつ減っています、開業した若夫婦を応援したいですし、スマホ決済が簡単にできるため、ちょっと不便な場所にあってもついつい寄ってしまうのです。

(2)3つの花屋のDX取り組み比較

この3つの花屋は、まさに同じ業態の小売業でも、「デジタルの活用」いう意味では違いがあります。開業した店は、ほとんど経費を掛けずにDX活用していることが分かります。

老舗の店 開業した店 大手チェーン店
決済方法 現金のみ QRコード決済 月額自動引き落とし
レジ ガチャレジ(注2) タブレットレジ 高機能レジ
会員管理 なし Instagramフォロー スマホアプリ
WEBサイト なし SNSのみ 本格的なサイトあり

注2:ガチャレジとはインターネットに接続していない昔ながらのレジ

(3)まずは来店してもらう、そのためのきっかけ

今、巣篭り需要でECサイトやデリバリーの売上が増えています。そんな中で、お客様に来店していただくにはどうしたらよいのでしょうか。

まずは「来店するためのきっかけづくり」にDX活用をすすめてみませんか? 手書きのハガキをお店からもらうと大変嬉しいですが、切手代やはがき代の経費がかかり、さらにあて名書きをする従業員の負担も重いです。そこで、「一般のお客様向けには、無料で活用できるInstagramやFacebookなどの活用」「上得意客には手書きのお手紙を送る」という2段階方式に切り替えることができます。

(4)次は、気軽に決済してもらう

やはり消費者の動きにあわせたキャッシュレス対応も欠かせません。「QRコードを店頭においてお客様のスマホで読み取ってもらう」「補助金を使って安価にレジの入替を実施する」など決済業務のDX化を簡単にスタートできる時代です。店頭に「QRコード決済使えます」というポスターやのぼりを出して、お客様にアピールしましょう。

お釣り用の両替にかなりの費用がかかることからも、キャッシュレスへの切り替えを進めることをおススメします。

(5)さいごに

小売業の基本は「欲しいものが揃っている」ことです。川口在住の近隣客のニーズを知り尽くしているみなさまであれば、この点はしっかりできていることでしょう。

そのうえで「自店を忘れないでもらう・思い出してもらう」「購入までのお客様の負担を減らす」というステップでは、簡単で安価なDX活用がお役に立ちます。 小売店のDX導入、ぜひ川口商工会議所にお気軽にご相談ください!

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